オレンジ色の憎いやつ | デカくて悪いか!!                 --- Let's Go Feisty!      

オレンジ色の憎いやつ

「チョコレートおくれよ、わんわん」
ピンクのプードルが叫ぶ。
「肉やけてますかね」
アフロ頭のヒッピーがオーブンをのぞく。
「あ、パパ,頭がちりちりいってるよ」
シンバッド(デズニーの映画ね)のマリーナが叫ぶと、ヒッピーは、あちちちちーと煙もくもくのアフロ頭に水をかけかけとびまわる。
「おまえら、ばかこいてないで働け働け!」
マクドナルドのドナルドもびっくり!の明太子唇に子門まさともびっくり!のレインボーカラーのパンチパーマピエロがお掃除しながらアホどもに喝をいれる…

我が家はハロウイーンのコスプレに命をかける。
(今年は、パパヒッピー、ママピエロ、娘1マリーナ、娘2犬)

ああ、ハロウイーン。
ご近所のみなさんちの軒先にオレンジ色のパンプキンやかかしやお化けがお目見えするのが10月初旬。すると「うちもやったるで」と10月31日にはじけまくるための準備が始まる。
バカ騒ぎ熱がオレンジ色に熱くなるのだ。

我が家にはオレンジ色の衣装ケースに山ほどのハロウイーングッズが蓄えられている。
くもの巣のお飾り、魔女のバケツ、魔女帽子、闇夜にきらめくパンプキンライト…ハロウイーン月間は、我が家のお皿、フォーク、ナイフ、カップ、ナプキン、なんでもかんでもオレンジ一色だ。雨が多く陰気なシアトルの秋がうきうきわくわくオレンジパワーで元気になる。

いまや、サンクスギヴィング、クリスマス同格の年末3大イベントに成り上がったハロウイーン。なんてたって、ハロウイーン消費はクリスマスに次ぎ年間ナンバー2。アメリカ人は、「赤」に興奮する闘牛のように「オレンジ」を見るとコスプレしたくてたまらなくなるのだ。なんのためにヅラをかぶり顔面をおちゃらけメイクで飾るのか誰もわかっちゃいないがハロウイーンショップで「エルビスヅラ」や「握手するともげる手」や「毛深い娼婦のお洋服」などを「これ、どう?」とるんるんしながらお買い物するのだ。
我が家もこの秋ニューハロウイーンアイテム購入に500ドル近くの金をかけてしまった。これにより我が家のサンタバジェットは縮小されるがそんなもんガキが困るだけでわたしのしったこっちゃない。


わたしは、10月31日に燃え尽きた。

娘2の幼稚園のハロウイーンパーティーにピエロに化けて乗り込んでそのすばらしいメイクアップに幼児の心を奪い(ふたり大泣きしやがったがな)衣装コンテストで優勝した!
家では、昼からご近所のみなさんをよんで暴飲暴食をし夕方からは、コスプレ家族はなかよく商店街を練り歩いた!

娘1、2は、1年分のおやつに相当するチョコだの飴玉だのを争奪し、歩きながらむさぼり食ってシュガーハイになりいい気分。
ヒッピーパパは、「禿げたらアフロヅラもいいなあ」とあったかい頭をなでなでいい気分。
ピエロママは、ふらふらと千鳥足で練り歩き「まあ、歩き方まで演出されちゃってよくできたピエロだこと」と町行く皆さんに注目されながらも実は、昼間っからのシャンパン、ビール、ワインに泡盛にげろげーろ。


ああ、ハロウイーン。
化けているからどんな醜態をさらしたって大丈夫。
化けて飲んで食って、それだけでいいアホーなお祭り。
わたしは、ハロウイーンが大好きだ。
来年の10月31日が待ち遠しいぜ!