あまちゃんに捧げるコラム | デカくて悪いか!!                 --- Let's Go Feisty!      

あまちゃんに捧げるコラム

みなさま、おひさしぶりです。

あまロスが騒がれる昨今、

わたしもあまちゃんに捧げるコラムを

まぐまぐメルマガ「いじり放題USA」に書きました。

今日は、それをこちらでもご紹介。





2013年10月1日号「いじりめぐみのいじり放題」より

「あまロス」in シアトル



「なんだてめえその口の利き方は!」
「ふん、あんたの育て方が悪いんでしょ」
「なんだとこのクソ女!てめえ何様だと思ってんだ!」



学校からの帰りの車中で繰り広げられる

生意気テイーンエイジャー娘その1とのどなりあい合戦。

クソ生意気な態度&口の利き方にわたしはぶちキレまくり、

自分が女とか母親とかカタギな人であることを忘れ、

ありとあらゆるボキャブラリーを最大音量で発しては

娘その1を泣かすのを習慣にしている。


すると娘その1は、家に帰るとなにやら英語でわめきちらしながら

2階の自分の部屋に向かい、これみよがしにバーンとドアを閉めるのである。
そしてわたしはその閉まったドアに向かって

「バカ野郎!てめえなんか晩飯抜きだ!」っとか、
「日本語もろくにしゃべれねえのにガンつけんじゃねえバカ!」っとか、
「うんこまみれで生まれてきたくせに気取ってんじゃねえよ!」っとか、
体内に蓄積されている毒を思いっきり吐いてすっきりさせるのだ。


その場にいてしまって、とばっちりを恐れているおサルこと娘その2は、
「あ、わたしは公文をやらなくっちゃ」とか独り言をいいながら

わたしの手の届かないところに消えていく...




これが我が家の午後6時の儀式である。
儀式が終わるとわたしはビールを飲みながら包丁を振り回し、

大急ぎで夕飯の準備をする。
そして、午後6時45分になったらこう叫ぶのであった。




「あまちゃんはじまるよー」

すると


「はーい」
さっきまで泣き叫んでいた娘その1は、ニコニコしながら大急ぎで2階から

降りてきて、公文なんかやってるはずもなくただ隠れていたおサルも

「待ってました!」
とどこからともなく現れてくるのであった。




タタッタ ラタラタ~ ヒュー!
タタッタ ラタラタ~ プー!





主題歌を家族仲良く口ずさみながら15分の休戦。
こうしてNHK連続テレビ小説「あまちゃん」を見るのを

この6か月間の習慣にしていた。




アメリカ西海岸ではTVジャパンというケーブルTV局で

午後6時45分にオンエアー。
あまちゃんを見てから夕飯を食べ、夕飯中は

あまちゃんの感想を言い合うのだった。
毎日録画設定をしてあったけれど待ちきれずに6時45分には

みなTVの前に集合する習慣が身についていた。




家で見られない時は、東京の弟宅に設置してもらっている

スリングボックスを介してインターネット鑑賞だ。

録画機能がないので西海岸時間午後4時(日本朝8時)か
午後8時45分(日本午後12時45分)にはスマホやラップトップを抱えての

あまちゃんタイム。



カリフォルニアへ向かって14時間車で旅をしていた時、

夕方4時にはまだオレゴンの山の中にいた。

「てめえ、ぶっとばしてこの山ぬけろー」
「あと3分で電波のあるところへ行けー!」

と、これまた自分が女とか妻とかカタギの人であることを忘れて
悪態つきまくりながら亭主に命令したものだった。

ソノマの義弟宅で親族一同会食中でも、
ナパのレストランでシャンパンを飲んでいても、
ダラスでバレーボールの試合を応援中でも、
自宅を離れたアウエイな午後4時、もしくは午後8時45分、
わたしはあまちゃんのために全神経を集中したのであった。




「あきは、バカか?」
「こんなとろい高校生が本当にいるのか?」
「「ずぶん」って何?」
「ママは、しゃべりかたは春子だね」
「ママは、みかけはブテイック・コウノのおばちゃんだね」
「パパは、あきのパパみたいに情けないね」
「あきのパパのほうが道知ってるからすごいね」
「ゆいちゃんのママ演技下手!」
「ベンさん結構おしゃべりじゃん」
「あのネコは演技ができるね」
「梅さんはゲイ?」
「パンツはいてんのかなあ?」
「うに丼うにうにー!」
......




あまちゃんネタで家族に会話が生まれた。
びっくりな時は「オーマイガーッ!」が口ぐせだった娘たちだが、

あまちゃんを見始めて1か月もすると自然と
「じぇじぇじぇー」というようになり、アメリカ人の友人たちには
Jの数で驚きランキングを表すジャパニーズ版オーマイガーッ!を教えてやる」
と「JJJ!」を伝授していた。


我が家の愛犬ジョジョ君も

ジョジョジョー!

ぎょぎょぎょー!と
わからんちんな呼び名で呼ばれるようになった。


この6か月、我が家には会話があった。 笑いがあった。
しかし、連続テレビ小説には終わりがあった。


最終回を見るのが怖かった。
わたしたち家族は録画をしたまま、最終回を見るのを避けていた。

しかし、きのう覚悟をして見た。

そして泣いた。



「まだまだ終わりじゃないじゃん」
「あきとゆいちゃんまだまだやるじゃん」
おサルは最終回と認めたがらなかった。
「「おしまい」ってあったでしょ。 おしまい!」

ひらがなだけはしっかり読める娘その1がわざと意地悪に言った。



今日は、あまちゃんが生活の一部じゃなくなった初めての日だった。

「うえええええ」

今日もまた学校からの帰りの車内、ブチ切れていた娘その1。
泣きながらバターンとドアを閉め、部屋にこもる。



午後6時45分がやってきた。
しかし、今日はもうあまちゃんはない。


「あまちゃんはじまるよー」が言えないのがこんなに切ないなんて。
新しい朝ドラ始まったっていうけれど

そんなにすぐに心の切り替えなんてできやしない。
今回は見ないぞ。
食べ物の話でも見ないぞ。

喪に服すぞ。


「あまロス」in シアトル。
我が家の夜はどうなっちまうんだあ!

午後7時のいじり家の食卓に会話が戻ってくる日が来るのであろうか?
メシがまずくなってやせちゃうかも?
じぇじぇじぇじぇじぇー!



あまちゃんパート2祈願署名シアトルで始めよう。






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http://www.mag2.com/m/0001598657.html

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