デカくて悪いか!!                 --- Let's Go Feisty!       -50ページ目

うそつきでぶ

 

 

運命の日は近づいていた。

 

ドクターのオフィスで体重を量る日。(健康診断ってやつね)
それは来週の水曜日。

 

「でぶ、でぶ、百貫でーぶ!」

といわれるのが怖くて、最近あせって運動しておりましたのよ。

(「でぶ卒業の春」3月22日参照)


腹八分目にしなくては…と、どんぶりメシもおかわりしないで
平日は酒も飲まないようにして、

毎日1時間体揺らして動き回って、
体重計も買い換えて
毎朝放尿後に素っ裸でこっそり乗っておったのよ。

 

だけど、だんだんそんな自分にいらだってきた。

 

1ポンド、2ポンド減ったどころでなんになる!
食いたいもの食わないでどうする!
酒が飲めない体になって病の床で泣いてる人がいるのに
飲めるわたしが思い切り飲まなかったらバチがあたるぞ!
能あるでぶは、爪をかくしてはいかんのだ!

 

で、電話しました。

 

「来週の水曜日仕事がはいったので健康診断いけませーん」と。

 

実に今年4回目のうそ。
まぼろしの健康診断は6月10日に再再再再延期に…。

 

うそをついたら身も心も軽くなり今日は昼から近所のパブでビール飲んでやったわ。

だって、あした(日本の今日)はわたしの39回目のお誕生日なんだもんよ。

 

誕生日なんてどうでもいいのだが食って騒いで、飲んで暴れて許される貴重なチャンスを逃してはいかん。

 

さー飲むでー食うでー。

 

今日はお誕生日前夜祭。家でウシ焼いてワインとビールとバーボンで乾杯。
あしたは、本番。中華食って紹興酒でもワインでもビールでもどーんといくわよーでそのあとソニックスのプレイオフゲームで絶叫応援。
で、その次の日は後夜祭。動けなくなるまで寿司食って日本酒とビールをいただく予定。

 

バースデー万歳!
いくらでも年取ってやるぞー。

 

 

 

 

 

 

 


午後2時のスポーツクラブ

 

 

午後2時のスポーツクラブは空いている。

 

わたしは、「毎日1時間運動しようぜキャンペーン」実行中なため、今日も娘2が幼稚園(日本語。週2回午後組)にいってる間プールにつかりにスポーツクラブへおでかけした。


この時間のプールはからっぽなのでひとりじゃぶーんとくじらになったり、せっせと水中を走る変なおばさんになっても誰にも白い目で見られないのでよろしい。

 

1時間も水につかってると指がしわしわになるし放尿したくなってたまらんが、そこは我慢の子。

きっちり1時間水中でふやけてました。

 

シャワーを浴びて、毛を剃って、おっといけねー!髭剃り負けして足のすねから血をたらしながら閑散としたロッカールームでマイロッカーめざしてフルチン?で走っていると人の気配が…

 

なんだよ、貸切じゃねえのかよーとがんをつけようと目を向けると
どひゃひゃひゃひゃーな派手な女が、ぶおおおおおおおーとドライヤーでブロンドヘアーを乾かし中。
ピンクのレースぶりぶりの下着のまんま足元にはヴィトンのでかバッグをどーんと置きお化粧カウンターにメイクアップアーチストのような化ける道具をずらーっとならべ異様な空間を作りだしていた。


シアトルくんだりでは、ビシッバシっと決めた男も女も品薄。
ましてブランド品を持ってるやつなど皆無。
それもこの女、下着の気合の入れ方からして素人ではない。裸で勝負のお仕事系と見た。


「あんなレースばりばりじゃ、股がチクチクいたくならねーかなー」

と、おへそまでのゴムパンをはきながら横目で観察をしていたわたし。

まあ、下着も派手なら着るものもぱっつんぱっつんのキンキラリン。
もはや、どー見てもクロウト。
おなかにちょっと贅肉があるあたりが場末のホステスさん風情。

べったりと化粧をし、じゃらじゃらとジュエリーを体にまきつけ彼女は出勤準備に精を出していた。

 

「ストリートに立つってよりは、出張サービス系だなあ」


と、へちまコロンを顔にぱんぱんたたきつけながらさらにチェックするわたし。

 

午後2時のロッカールーム。
「見てくれ命」女と「見てくれ棄権」女が裸のお付き合い。


Tシャツ、Gパン、すっぴん、サンダルばきのわたしの総価格は、彼女のおパンツ一丁にも負けていただろう。

 

あまりの香水の臭さにロッカールームを脱出しラウンジでただのコーヒーをもらってエレベーターに乗りこもうとすると、わたしのあとを追う人物が…


ああ、臭い。


はい、クロウトさんが出勤準備を終えてついてきやがりました。

 

パーキングまで下降していく数十秒間。
香水の臭さに失神しそうになりながら、見てくれで勝負せずに生きていられるわたしのほうが幸せだぜと思いましたわ。(だって股チクチクしないですむもんね)

 

「Have a nice day!」

と、先に降りたわたしはにこやかに挨拶をしてエレベーターを脱出。
本当は「ファイト1発!」っていってやりたかったけどね。

 

今夜、彼女は何人の男相手に働いているんだろう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白いゴミ

 

 

春休みにデズニーランドから帰ってきたばかりのL(アメリカ人ね)から電話があった。

「ただでデズニーランドに行ってきたのよ」
「ただ!」

「ただ」を求めて近場をうろうろしていたわたしりゃ親子にゃうらやましいお話。

「娘のクラスメイトの親がスッチーだから飛行機もモーテルもただだったんだけどさー」
そうかい。またかい。
Lの娘はむちゃくちゃくかわいいのでお誘いが豊富。
海辺の別荘だ、スキーリゾートだーといろんなところへいつも「ただ」三昧。
しかしアンパンマン系のわたしの娘たちに「ただ」は縁遠い…

「モーテルはぼろいし、まずいファミレスにしか行かないしサイテーだったのよー」
うらやましくってたまらないのにLは続けた。
「でね、わたし発見したのよ」
「なにを?」
「彼女ってホワイトトラッシュだったのよ」
「ホワイトトラッシュ?白いゴミ?」
「なにそれ?」
「やだ、あんた知らないの?」

Lは、わたしの無知をあざ笑ってから説明してくれた。
ホワイトトラッシュとは、トレーラーとかに住んでいて、ろくに教育も受けてなくて、ろくな仕事にもついていなくって、毎日安酒をあおって生きているような貧しい白人のことをいうのだという。

彼女の発見とは、「娘のクラスメイトの母は今は成金だがホワイトトラッシュの出なのでテイストが悪く、教養がない。したがってまったくノリが合わない」ということらしい。


ホワイトトラッシュ!
白いゴミ!
おおお、すげえ差別用語じゃねえか!

けど、Lの説明を聞いていたら、なんかなつかしーくなってきた。

トレーラーに住んでろくに教育受けてない白人…
それってわたしが高校で留学していた先のニューハンプシャーの街のみなさんのことじゃないかい。トレーラーホームに住んでる同級生が多くて、大学に進学する子も少なくて、街から出ることなくブルーカラーな職についていったなあ。
けど、みんないいやつだったぞ。
わたしは、そこで「ホワイトトラッシュ」を従え、飲酒クイーンとして君臨していたんだぞ。

わたしのアメリカ原体験はホワイトトラッシュのみなさまとある。
やつらは、ゴミなんかじゃねえぞ。
毎日彼らなりに一生懸命生きていたぞ!


まったくこの国にはカラフルな差別用語がありすぎる。
肌の違いで差別するのに飽き足らず
白人が同じ白人のことを「白いゴミ」というなんて!

おい、Lよ。
ただで遊ばせてくれた休暇の恩人を「成金のホワイトトラッシュあがり」というのなら
おまえは何様じゃい?
おまえだって成り上がって生きてきてるじゃないのかよー。

わたしのご学友たちを「白いゴミ」と呼ぶならば、わたしは「黄色いゴミ」だ。
それも、ただのゴミじゃないぞ。粗大ゴミだぞ。

わたしは、立派な黄色い粗大ゴミとして Lのようなつまらぬステレオタイプを持つ連中をぎゃふんといわせてやりたい。
ステレオタイプはぶち壊さねばならぬ。
ぶち壊すのはお得意技よ。
明るい未来のために、これからもアメリカ人をびびらし、ガンガン暴れる日本人でいようと思う。











リモデル貧乏

 

 

 

先週は春休みであった。

「家族でカリブにいってくるわ」
「うちはマウイの別荘よ」

娘たちの金持ちクラスメイトが続々と高価なバケーションにおでかけになったが我が家はリモデル貧乏。
「壁、アリ食ってました」
「天井も腐ってました」
と大工さんが毎日なにかしら欠陥を見つけてくれちゃうもんだから費用がかさんで失神しそうな毎日である。贅沢は敵だ。わたしらにバケーションなどこいてる余裕はないのである。
「シアトルを堪能しよう!」と近場で質素な春休みを過ごしておった。

ガソリンがむちゃくちゃ高いのでバスに乗りプールに行った。
ダウンタウンの「FREE RIDE AREA(バスがただ!)」でバスのはしごをして遊んだ。
銀行に朝いちで行くとクッキーとコーヒーにただでありつけることを教えてやった。
回転すしで「オレンジ色のお皿が一番おいしいんだぞ」と1ドル皿ばかりを積み上げていた。
ライブラリーでコンピューターゲームをして漫画を借りた。

あしたからまた学校。
クラスメイトは日焼けした肌を自慢することであろう。
娘たちよ、金持ちに負けるな!
世の中には金をかけずに楽しめることがうじゃうじゃあるのじゃ。
ビーチでぼーっとしていたやつらより、おまえらのほうが頭と体をつかっておりこうになっているはずじゃ。


春休み。
わたしら家族のいくところ、どこでもホームレスのみなさんの姿があった。
彼らは金のかからぬお楽しみをうじゃうじゃ知り尽くしているようだ。
上には上がいる。もっと腕を磨かねば。ホームレスのみなさんに学び、長くてつらいリモデルをのりきろう…。  

ケツに名刺?

 

 

日曜の夜は、ケーブルTVの日本語放送を録画する。

それをへらへら見るのが月曜の楽しみ。
遠きふるさとを思い、どっぷり日本にひたるのだ。

番組はどれもフジTV。
お高いケーブルに入るとNHKが見られるし、日本語貸しビデオ屋もあるから
なんでも見よーと思えば見られるのだが、なんでも見よーとは思わないし金がもったいないのでわたしゃベーシックケーブルで見られるフジTV番組だけを日本の情報源にし生きている。

平日毎朝1時間、安藤&木村コンビのニュースは見ている。
日曜の夜は、フジの娯楽番組がまとめて放送されるのでお得感が増す。
日本のみなさんが見終わった「おふる」を何ヶ月も遅れてありがたく鑑賞させていただくのだ。

で、今見てるのが
「東京湾景」とかっていうシロモノ。
うそくさいストーリーラインに鳥肌がたちながらも
「わざわざアメリカでも放映するんだからなんかいいとこあるんだろう」
と我慢して見ている。もう7回も我慢している。あと3回の辛抱だ。日本の同胞が認めたドラマならば見ておかねば…との思いだけでわたしは見続けている。

そして、ドラマのあとは「HEY HEY HEY」
「どんな歌がはやってるもんかね」とお勉強のつもりでご鑑賞。
これだってもう4月だっちゅうに「2004年の名曲トップ100」みたいなもんをやっていた。アメリカの日本人はなめられとるで。

で、ベストランキングに連なっていた名前がああ、もう意味不明。
「Tommy February」ってなによ?トミーが2月にどうしたのさ?
「ケツメイシ」ってなによ?
こいつらおケツに個人情報刷り込んで人にあうと
「わたしらこういうもんです」っておケツ出すわけ?

ふるさとを思いどっぷり日本にひたる時間のあとは、いつも
遠いふるさとがさらにとおーーーく感じる今日このごろである。







  

Rの下の世話

 

Rは、離婚したての40歳。アメリカ人の♀。8歳の娘持ち。

「わたし別れるのよ」
とくらーい顔で現れた翌日に、

「インターネットの出会い系サイトにいい男がうじゃうじゃいるのよ」
「あしたは、年収15万ドルの男とデート」
「子守たのむわ」
と鼻息荒く現れた。

以来、何人の違う男の名前を聞かされたことか。

Rは、毎日3マイル走るようになり、格好もこぎれいになり、うちに来ても食わなくなった。
「いつでも勝負できるように自分を磨かなくちゃ」
だと。

わたしは、Rの食わなくなった肉を食ってやり
Rの飲まなくなったビ-ルを飲んでやり、
Rの面倒みない子供の世話をしてやっている。

今晩は、Rの娘は我が家にお泊り。
明日は学校あるっちゅうに。
「彼氏が明日から出張で今晩じゃないと会えないのよ」
だと。

Rの娘は、「ママはお仕事」と信じて放課後からずーっと我が家にいた。
「ママえらいねー。毎日大変ねー」
とおだててもやった。
宿題をすませ夕メシを食わせ一家団欒くつろいでいるとピンポンが。

「忘れ物」
とRがパンツと歯ブラシを持って現れた。
レザーのミニスカートとおっぱいぱつんぱつんの真っ赤なタンクトップを着て。

「…」
一同ボー然。

「ママ、どこ行くの?」
「うん、どこも行かないわよ。会社で徹夜でお仕事しに戻るだけよ」
だと。
香水ぷんぷんアイシャドーぎらぎらさせてRは夜の闇に消えていった。

腑に落ちない顔でたたずむRの娘。
「ママ、いっつもスーツでお仕事してるのに」
「朝着てた服とぜんぜん違う…」

「ママ、おもらしでもしたんじゃないの。で、最近お洗濯してないからあんなもんしかなかったのよ」
今日も洗濯ネタでうそついてあげたわたし。

そして数時間後、おやすみなさいの電話をしたRの娘
「すごくうるさい音楽がかかってた」
「ディスコみたいだった」
だと。
「ママの会社残業するとディスコでただメシ食えるんだっていってたわ」
「ふーん」

Rよ、うそをつくならとことんつきとおせよな。
ああ、このままじゃわたしの鼻はピノキオの鼻になっちまう。
明日の朝はなにをかましてくれることやら。

つづく…
…けど、ほっとく…







小人の靴屋


娘1の足は、臭い。
臭くて臭くて車の中でやつが靴でも脱ごうものならみんな泡をふいて失神します。

その娘1、靴を一足しか持っていず、そのうえ洗うのを拒み、ここ半年毎日同じスニーカーを履いている。このスニーカーがまたデンジャラス。

玄関にころがっているだけで家中が匂う。
きのう娘1は、スイミングでこの臭いスニーカーをロッカーにいれるのを忘れ更衣室の床に無断放置していた。戻ってきたらみなが鼻をつまみこのスニーカーを遠巻きに見守っていた。
    
もう我慢できなかった。
      
昨晩、娘1&2がよだれを流して寝ているのを確認するとわたしは、ビニール袋でこいつをつまみあげ洗濯機にぶちこんだ。多量の漂白剤と洗剤もぶちこんでスイッチON!

洗濯機は、ぐあああああああ、ぶるぶるぶるぶる、がたがたがたと
やかましい音をたてて揺れていた。
  
「いたいよ、いたいよ。とめてくれよー」

スニーカーは洗濯機の中で泣いていただろう。
ぼかーん ぼかーんと壁に激突しながら熱湯とバブルの中でぼこぼこにされていた。

アメリカの洗濯機はすばらしー。
日本の洗濯機のようなIQも小技もなく、でかい、うるさい、単純。
しかし、騒音なんてくそくらえ!と開き直っている分、思いっきりたてにも横にも暴れてくれるから汚れが落ちるんだな。

で、こいつを乾燥機にいれ、さらにボコボコに回転させたらできあがり。

30歳は若返ったぞ!ナイキのスニーカー!

そして朝。
なーんにもなかったふりをして
「とっとと靴はけー、行くぞー!」
と命令を下す。すると娘1は、
「うわーーーわたしのスニーカーが変!」
と動揺している。

「小人の靴屋が来て洗ってくれたんじゃないか」
ぼそっというお母様
「小人さんが…」
娘1は、いまだにサンタクロースを信じているウブ。

「そうか小人さんか…」
「小人さんは洗濯もするのか…」
  
そして娘1は、漂白剤臭いスニーカーを履いて出かけていきました。
めでたし、めでたし。
 
  
  

一日一善

本日の善行。

 

キッチンに、ここ最近不法滞在中のハエがおった。

テカテカの体でぶいーんぶいーんと騒音をたててとびまわりやがり

人様のメシにランディングする。

 

朝メシのハムエッグまでは許してやった。

黄身がウエルダンすぎてうまくなかったからさ。

けどな、昼メシの「うな丼」は、違うだろ。

おまえ、調子にのりすぎたな。

 

うなぎは、冷凍もんだが我が家の特上メニュー。

家族がいない昼間にこっそりわたくしがいただくための贅沢食材。

 

わたくし本日ひとりでウハウハうな丼を食ってたのですよ。

…で、

「うーん、もうちょっと山椒が欲しいわねえ」

…と、うな丼からハウスの山椒の小瓶にちょこっとフォーカスを移動したとたんに

ヤツが低空飛行してきやがった!そしてうなぎにランディング!

一番ぷくぷくしてうまそうな局部にべったりとへばりつきやがった!

 

「バチーン」

…というか

「べチャ」

 

何も考えずにわたし、殺っちまいました。

山椒の小瓶のとなりに転がっていたペーパータオルのロールでうな丼を一撃。

ヤツは、頭部打撲直後に窒息死。

うなぎに埋もれ帰らぬハエとなりました。

 

ああ、なんて幸せなハエ。

ハエ叩きでもなく新聞紙でもなくやわらかロールの一撃&うなぎ三昧で逝けちゃって。

ああ、なんて贅沢。

いいことをしたなあ、ひさしぶりに。

ハエが埋もれた局部をほじくりゴミ箱に捨て、心ほがらかに、残ったうなぎを食したのでありました。

 

ハエよ、礼はいらないぜ。

 

 

でぶが歩けば…

やばい。

体重測定が3週間後にせまったというのにわたしの体は縮むことをこばみ、
練習のために買ったデジタル体重計までも破壊し(「ノリ」が悪かった?)
メジャーリーガーでもこんなに食わねえだろうっちゅう量のウシでもブタでもどんぶりメシでも平らげてしまう。
昔、霊媒師の人に
「あなたがお酒を飲むのは、水子の霊が飲みたいからなのじゃあ」
と怖いことをいわれたことがある。
わたしには実はもうひとり弟がいるはずだったらしく、その水子弟が成人して酒が飲みたくてわたしに乗り移り浴びるように飲んでいたのだという。
そして今度は水子弟は大食いコンテストにでも参加したいのであろう。
朝から晩まで限界に挑戦する勢いでわたしの胃袋にウシだのブタだのを詰め込んでくれる。

水子弟よ、お願いだ!おねえちゃんと一緒にダイエットをしよう!
もしくは体重測定の時、ちょっとだっこしてくんない?
30ポンドくらいサバよみたいんだけどさー。

...水子弟の返事は、NOのような予感がしたのでわたしは決意した。

1日1時間歩く。

でぶは、走っちゃいかん。
膝を悪くする。
心臓発作で倒れて救急車でも呼ばれたら大変だ。
だって、アメリカじゃ実費払わされるんだよ。
救急車がタダだったら走ってもいいけど有料じゃねえ。

わたしが走らないのはアメリカ保険制度およびブッシュのせいにして(あのサル顔耐えられん!)まあ、とにかくわたし今日から歩きだしました。

本家改築中のため、今住んでいるのはダウンタウンシアトルからすぐの丘の上の街クイーンアン。
ながめ
シアトルの高層ビルと海と山が見え歩くには気持ちのよーいところ。1時間歩くのだからずずずいーっと絶景をエンジョイしようとオーシャンビューの通りを練り歩いてみた。するとあるよ、あるよ、大豪邸が!どんな悪さをしたらこんなところに住めるんじゃい!ってお屋敷がごろごろ。

ため息まじりに歩くこと45分。

「やばい」
減量のために!と水をがぶがぶ飲んでいたので巨大な膀胱も満タンになってしまった。
「おしっこ」
どこかで便所を借りなくては...とあたりを見渡すとあったあった
マクリナベーカリーが。
ここには便所があるのよね。前に来たことあるから知ってるもんね。

ランチのお客さんでにぎわう店内をずんずんと便所にまっしぐら。
用を足させていただき退場しようとするといい匂いが...

今日のスペシャル
オニオンスープ。


…だ。
タダで便所つかっちゃ申し訳ないよなー。
スープだもん。水の親戚じゃないか。このっくらいいいよなー。

レジにならんで買ってしまった。

「こちらでお召し上がりですか?」
「はい。」
「パンは?」
「パン?」

そうなのよ、ここのパンはバゲットでもブリオッシュでもアメリカじゃあ
めったにお目にかかれないサクサクぱりぱりでうまいのよ。

「バゲット一丁」
パンまで買ってしまった...

じゅるじゅる。ばくばく。
うーん、うまい。
運動したあとのメシは格別じゃ。
さあ、残り15分歩くぜ!
と勢いよく席を立つとガラスケースの中のいちごケーキと目があってしまった。

今日は、ケーキが豊富に並んでいる。
この前、娘2の誕生日に買いに来たときには1種類しかなかったのに。
このいちごケーキとは初対面じゃないか?
次はいつ会えるかわかりやしない。
この店のケーキは人気だもんな…


「すいません。これも」

買っちまったよ。

家までの15分。
ケーキぶらさげて歩くわたし。

でぶは、走っても歩いてもいかんのね。
今度は財布をおいていこうか。
けど、なにかあったら困るしなあ。


水子弟よ、おまえ食い意地はりすぎじゃねえか?

ケーキはいかんぞ。ケーキは。
おねえさまのダイエットに協力しろよな。
(それか、体重サバよまさせてね!)









"The Biggest Fool " とんでもない4月バカ

みなさーん、エイプリルフールには いい嘘つけました?

わたしは、日本の知り合いをだまそうとシアトル時間3月31日の朝から
「みんながオフィスで朝一にひっかかるように、うししししし...」
とコンピューターに向かって嘘つきメールを作るのにいそがしくしておりました。


娘2が生まれた直後の2年前のエイプリルフールに
「いじり離婚!ふたりの子連れで日本に帰国!仕事紹介してください!」をタイトルに書いておくったメールは、本文を読もうとクリックしている待ち時間にみなさんを

「やっぱりか」
「あんなやつにいまさら仕事なんかあるのか」
「ふたりの子供は芸能界に売られていくのか」
「いじりの娘じゃサーカスだな」

と動揺させることに成功。
で、ようやく(当時はまだのろい回線の人が多かったのだ)本文が現れると
この写真がとびでてきて

fool old


「ちきしょーだまされたー!」
「信じたぞボケ!」
という大量の非難のメールをいただくことに成功したのでありました。

去年は忙しさにかまけて嘘をつき忘れたので「今年は!」と気合いも入り
朝からしこしこ悪巧みをしていたわたし。
写真をコピーしてー、うそ書いて、さー送っちゃうぞ!

めずらしく早々に準備万端。
あとは、みなさんに送信するだけ。
「大量メールを打つときの基本は、あて先にみなさんの名前をいれないように気をつけなくっちゃ!」
と、そこまではよかたのだ。
が、もともとコンピューターのあつかいを得意としないアホ。
BCCとCCをあーあ、勘違いしてしまった!

「よーしゃ、GO!」
と、ぶっといひとさし指でクリックしてから気がついた。
「CCじゃなくてBCCだった!」
送信フォルダーをキャンセルしようとあせるが
時すでにおそし。
「あ、あーーーーーーー」
郵便ならポストを叩き割って回収できるのに。
エレクトリックメールはクリックひとつでしゅるしゅると手の届かぬ闇のかなたへ消えていってしまう...

とほほほほほ。
人をだますことを楽しむ心はしぼみ、社会人失格!とサルの次郎より深く反省。で、いそいで今度はみなさんの名前をもう一度、今度はちゃんとBCCにうちこんで
「みなさますいません。
とんでもない失敗をしてしまいました。
BCCとCCを間違えてアホなメールをみなさんにおくってしまいました。
まことに申し訳ございません。
どうかさきほどのメールを削除してくださいませ。
ごめんなさい。」
というメールを送ったのでした。

わたしのアホ友達だけならよっかったのだ。
しかし、「こうなったら誰にでもおくっちまえ」
とやたらめったら各方面の方々に送っちまった。
個人データの流出は犯罪じゃないか?
やばい やばい相当やばい。

ごめんさないメールごときで許してもらえるのだろうか...
久しぶりにブルーな気分のわたし。
日本時間の朝がくるまで
みなさまの反応を待ち、受信ボックスをみつめて一日過ごしておりました。

そしてシアトル時間31日夕方。
ぼちぼち日本のみなさんが出社してきたころ。
まず1通のメールがやってきた。

「不気味な文字化けメールがきたけどなあに?」

文字化け????
そして続々と。
「文字化け」「文字化け」「文字化け」...

ひえー。
ということは、わたしは、みんなのアドレスがみえみえの不気味な文字化けメールをおくっちまったわけ????????
謝罪のことばも届かなかったのね。

とほほほほほ。
わたしは、ただの嫌がらせ女じゃねえかよこれじゃ。

みなさま、ごめんなさい。
ここで改めてネタ明かしをさせていただきます。

わたしがない知恵絞って考えた今年の嘘つきメールは、

「内緒にしてましたがいじり第3子出産!」

というタイトルでありました。
で、そこでみんなが
「えーーーーーーーーっ」
とびっくりして本文をクリックすると

fool

こいつがでてきて
「けど、食われちまいました!」            」
ってオチるはずだったのでした。

タイトルだけ見えたという方々には嘘が効かず
「おめでとー」
「やっぱり、どうりで前回あったとき腹が出てると思ったんだよ」
って出産祝いのお言葉をいただいちゃいました。
けどー、前回会ったのは12ヶ月まえですよー。赤ん坊ってそんなに腹の中にいないってばさー。ただの脂肪とうんこだったのよ、あの腹は。

みなさま、わたしは女の操を守っております。
娘1、2を犯罪者にしないよう育てるだけで手一杯です。
二度と股を開くことはございません。
でぶですが妊婦ではありませんので、あしからず。

2005年4月1日。
嘘は、いかん。嘘は!と深く反省したいじりでございます。

メールでご迷惑かけたみなさま本当にごめんなさい...